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2006年2月24日 (金)

朝日新聞

本日の朝日新聞 朝刊に【もったいない食堂】についての記事が掲載されましたので、

ごらんください。

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゛もったいない〟味わって

すこし虫食いの葉野菜・不人気の魚・・・

自然への感謝の念が込められた言葉「もったいない」。にわかに注目を集める
この言葉を形にしたような店が、熊本市にできた。
その名も「もったいない食堂」。「規格に合わない」と市場で相手にされなか
った野菜や魚を扱う。一つの命も無駄にしない姿勢を多くの人に知ってもらい、
外食産業や流通のあり方を考えて欲しいとの願いも込めた。
                          
規格外工夫しごちそうに

熊本市良町の住宅街にある約40平方メートルの明るい店内にはカウンター5席、テーブル8席。
お昼どきは玄米ご飯の定食を楽しむ女性客でほぼ満席だ。
                                 
量り売りの惣菜やパン、弁当が並ぶコーナーの奥には、だしの香りが食欲をそそる
「おでんコーナー」。大根100円、こんにゃく150円と並び「たたきみ揚150円」がある。

「これが『もったいない』の象徴です」と店長の堂園仁さん(44)。「たたきみ」
は魚の身をたたいてすり身のようにしたものだが、実は「雑魚」を使っている。
「市場ではただ同然に扱われてしまうけれど、同じ命。生かさなければ、
もったいないですから」。ハンバーグのように焼いてパンに挟んだサンドイッチも好評だ。

「たたきみ揚」が生まれたのは昨年12月。店の本体である熊本市のレストラン「ティア」
社長の元岡健二さん(59)が長崎県の佐世保市中央卸市場を見たことがきっかけ
だった。

港に揚がる魚は300~500種類だが、人気があり高値で取引されるのは、アジやイサキと
いった一部の魚だけ。消費者に知名度の低い魚は競りで値が付かない。
大きさが合わなかったり、数が足りなかったりして「規格外」となると、肥料や
飼料にされたり処分されたりしていた。陸に揚げても箱代にもならないと、沖で
捨てられる魚もあった。

「農業と全く同じことが漁業でも起きている」。「ティア」は開店8年。
有機無農薬栽培の野菜や無添加の食材にこだわった料理を提供しているが、店を作り
上げる中で生産性や規格に苦しめられる農家を目の当たりにしてきた。

少しの虫食いがある葉野菜や曲がったキュウリ、二股になったゴボウは商品にならず、肥料
として畑にすき込まれるだけ。より手間をかける有機無農薬栽培に取り組む農家にと
っては大打撃となっており、そうした「B品」を積極的に仕入れてきた。

「このままでは、沿岸漁業の技術が失われてしまう」。水産加工もする福岡市の商社
「アクトフォー」の事業部長、金子卓寛さん(33)と組み、雑魚に価値をつける商品開発に
乗り出した。雑魚をさばいて身と骨を別々に冷凍した「もったいないセット」はブイヤーベース
に。ぶつ切りで冷凍し、南蛮漬けに活用できる商品も検討している。「自分達の仕事に
意味があると漁師さんが勇気を持てるようにしたい」と金子さんは言う。

元岡さんは今月、金子さんらと共に長崎市で「長崎くじら食文化を守る会」を発足させ
た。目的は商業捕鯨の推進ではなく、クジラが取れたら感謝し、捨てるところなく
「いただいた」という江戸時代の食への心に学ぶ。「その自然と人間との関係は、
現代の新しい価値観になるのではないか」と金子さんは話す。

「もったいない食堂」は今後、熊本市で10店舗程度に広げる計画。定食、弁当、惣菜と
いった日常食を柱に、「コンビニやほか弁やコーヒースタンドのように気軽に、『もったいない』
に触れられる場にしていきたい」と元岡さんは話している。

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